gradation
溶ける融ける、消えてしまう。
     空気に溶けて消えてゆく。
過去も未来もない点は、     
          居るも居ないも同じこと。


1
「こんにちはー」

2
「いま、瀬名と喋ってたよね?」

3
「まるで私が透明人間になっていくみたい――」

4
「ええと……土日暇かな、って思ってさ」

5
「……部活には、行くよ」

6
なにもかも夢であったら良いのに。

7
「あ、お客さん? いらっしゃい」

8
――それでも、私たちはこうするしかないんだ。

9
「私がここに来ていちばん安心したこと、なにか解る?」

10
「瀬名って猫に似てるもん、いろんな意味でね」

11
「……おやすみなさい、ユキ」

fin
「おはよ、カンナ」


【頂きもの】
*しなえさまより、本編イメージイラスト*




back

検索からいらした方は、こちらからインデックスページへどうぞ。