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葬儀屋
「積み藁」

中、


 眼を開けると、広いベランダの片隅に立っていた。
 焦茶色の板で覆われたウッドデッキ風の床面に、観葉植物や、花で埋まったプランターが配置されている。統一された空間の中、反対側の隅にひっそりと干されている洗濯物が妙にちぐはぐに見えた。この空間に生活臭は似合わない。否、それを言うなら喪服のような非日常とて相応しくはないだろう。
 そして、男が一人。
 まるで締め出されたかのように窓の傍に座りこんでいる彼もまた、このベランダでは浮いている存在だった。
 狭霧は、傍らの常磐に視線を送った。常磐の横顔は狭霧を一瞥し――その一瞥の間に彼は器用にも微笑んでみせた――ごく自然な動作で、足を踏みだした。二歩、三歩、距離を縮める。それでも男は顔を上げない。狭霧が常磐に続いて一歩を踏みだしたとき、男はどきりとしたように顔を上げた。その顔が、書類に貼られた写真に重なる。
 死者との間に数歩を残し、常磐は立ち止まった。狭霧もその斜め後ろに立つ。
 狭霧は男を観察している。呆けたように常磐を見つめているのは、写真よりも窶れた顔。淀んだ眼。彼を蝕んでいるのは彼自身なのだと、気づいてもいないような眼。
 思い出したように常磐を睨み、男は低い声で問うた。
「誰だ」
「誰に見えますか」
 常磐が愛想良く問い返すと、男は毒気を抜かれたように黙りこんだ。じろりと下から常磐を見、それから狭霧をねめつける。歳の割に若い顔をしているが、相手の見下しかたはある意味歳相応だと妙に感心した。
 視線を一瞬だけ硝子越しの室内に向けたあと、男はやがて、粘り気のある口調で答えた。
「死神か、それともやくざか」
 ほう、と芝居がかった反応をして、常磐は大袈裟な身振りでこちらを向いた。面白がっているような顔をしている。たぶん狭霧も同じような表情をしているのだろうと思った。
「……なんだ」
「いえ」
 不審げに問うてくる男に、常磐は狭霧に向けたままの微笑を向けた。男の表情が微かに強張った気がした。
「死神という答えは聞き慣れていますが、やくざかと言われたのは初めてです」
「まあ、解らなくもないけどね」
 狭霧は応じて苦笑した。――黒のスーツに黒ネクタイ。磨き上げられた黒い靴。正確に言えば喪服以外の何物でもないのだが、この状況で弔問客が訪れたと考える死人は居ないだろう。大抵の死者は、「葬儀屋」を見た際に死神か悪魔の類であると判断するようだが、整いすぎた服装から、却ってやくざ者を連想したくなる気持ちも解らないではなかった。否、それは――やくざが訪れてきても文句は言えまいという自覚が彼にあるせいなのかもしれなかったが。
 男はなおも警戒した表情で、狭霧と常磐とを見据えている。二人揃って紅い眼をしているのだから、この世のものではないということは解るのだろう。本当にやくざだと思っているのなら、こんな強気の対応はできないはずだ。結局いつも通り、死神とでも見られてしまっているのだろうか。それにしても、もう少しまともな肩書きを与えてはくれないものか。頭の隅で、そんなどうでも良い文句を呟いてみる。
 ――どっちにしても半分以上は虚勢、だろうけど。
「何者なんだ」
 男が質問を繰り返す。
 常磐は微笑したままで答えた。
「見たままですよ。喪服を着ているのですから『葬儀屋』です」
「冗談を言うな」
「冗談を言ってどうするのです」
 常磐が肩を竦めると、彼は黙りこんだ。警戒の表情が消えている。戸惑っているその隙間に滑りこむように、狭霧は口を開いた。
「なにをされていたんですか」
「自分の家のベランダに居るのに理由が要るのか」
「ここは貴方の家かもしれませんが、この現世は死んだ貴方の居場所ではないはずです」
 気さくに問うた身体の中を、冷たい風が吹く。洗濯物が呑気にはためいている。花が微かに揺れている。
 ここは何階なのだろう、と思う。視線を手摺の向こうに向けたが、地上は随分遠いようだということくらいしか判らなかった。遠くに散りはじめた桜が見える。車が道路を流れている。
「私の勝手だ」
 吐き捨てるように、彼は言った。
「そうでしょうね。でも」
 狭霧は試すように微笑した。最近、微笑みかたが常磐に似てきたような気がする。彼の微笑には伝染性があるようだ。
 皺のないポロシャツとコットンパンツ。軽装だが身なりは小綺麗だった。粘性の視線とは裏腹に、身だしなみはきちんと整えられている。眼だけが死者相応に濁っている男を見据えて、狭霧は小首を傾げてみせた。
「死んでまで奥さんに復讐を考えているなどと――自分勝手にも程があるとは思いませんか」
 男の眼が、また怯えた。黒い眼が忙しなく動く。狭霧を見、常磐を見、それから、憎悪のこもった眼で室内を見た。レースカーテン越しに、うっすらと室内が見える。ブラウンとホワイトを基調にまとめられた、居心地の良さそうなリビング。背の高い観葉植物と、大きなテレビと、硝子テーブルとソファ。人影は見えなかったが、中年女性が一人、そこには住んでいるはずだ。今となっては独りきりとなってしまった女性が。
「美弥子さんが気になりますか」
 男の視線を遮るように常磐が問うと、死者は堪りかねたように立ち上がった。苛立ちがそのまま感情の波となって、常磐の頬を掠める。それを厭うかのように、常磐は微かに眉を寄せて一歩後ろに下がった。短く束ねた彼の長髪が、微かに揺れる。
「お前ら何者だ」
「ただの『葬儀屋』ですよ。少々お願いにあがっただけです、渡瀬慎一さん」
 謎めいた微笑が、渡瀬の感情を逆撫でた。あからさまな舌打ちと仁王立ち。色の悪い顔に赤みが差した。
「何者だと訊いているんだ!」
「言ったでしょう、私たちは『葬儀屋』。――貴方みたいに頑固に現世に留まっている死者を、居るべきところに還すのが仕事。生死の番人たる死者」
 さらりと言った狭霧に殺意の眼差しが向けられる。妻に向いていた憎悪が、常磐から狭霧へと移動していく。苛立ちが忙しなく渦巻く。けれど動じるほどのものではなかった。この手の表情は見慣れている。そうでなければ、常磐の相棒など務まるまい。そもそも、こうして翻弄しながら内部を突き崩すのが、常磐と狭霧の遣り口であるのだから――。
 陰湿だとは思う。けれど結局、相手を物理的に傷つけることなく現世から引き剝がす手段として、この陰湿さが有効であることは確かだった。
 全身に力をこめて、渡瀬慎一は立っている。
 常磐は涼しい顔で佇んでいる。たぶん狭霧も。柳に風、という言葉を具象化しながら。
「葬儀屋だと?」
 不自然なタイミングでそう返し、渡瀬は不意に笑いだした。突き抜けた嘲笑だった。
「死人相手になにを願うって言うんだ」
「現世に居る死者に願うことなど一つしかありませんよ」
 常磐の笑みは底無しだ。いつもそうだ。現世に降り立ってからずっと、彼は微笑を崩していない。その含みを少しずつ変えていたとしても。
「大人しく現世を離れて輪廻に戻ってください――僕たちが言いたいのはそれだけです。死人が現世に留まることは、生死のバランスを崩しますからね」
「バランスを崩してまで此処に留まろうとする死人が、ハイそうですかと簡単に引き下がると思うかね」
「思いませんね」
 あっさりと引き下がると、渡瀬は満足げに唇を歪めた。笑ったのかもしれない。
 じり、と、革靴を履いた足が床を擦る。掬いあげるような視線を、渡瀬は常磐と狭霧に向けた。
「それならさっさと諦めて帰ってくれないか。私には考えなければならないことが山とある」
「なんでしょう?」
 狭霧は小首を傾げてみせた。できるだけ白々しく見えるように。
 渡瀬は再びにやりと笑うと、そうだな、と勿体ぶった調子で室内に視線を遣った。それから足許を見た。太陽は顔を見せているが、彼の足許に影はない。それは無論、常磐の靴の下も狭霧のハイヒールの下も同じことだった。
 狭霧は彼の表情を見ている。――現世を離れたがらない死者は、概ね二種類に分類できる。正気を保ちつづけている者と、保てなくなりつつある者。
 眼の前の死者はたぶん後者に堕ちたのだろう、と思った。幼い言動が、彼の地であるのでなければ。
 思い出したように、渡瀬は挑戦的な表情を向けてきた。
「私の名も妻の名も知っているというのなら、当然私がなぜここに居るのかも知っているんだろうな」
「できれば貴方からご説明願いたいものです」
 常磐が平然と答えた。
 渡瀬は勿体をつけるように笑んだ。そのままの表情で、唐突に片腕を窓硝子に伸ばす。――腕はなんの抵抗もなく、硝子とレースカーテンとを突きぬけた。
「こんな状態でも妻を痛い目に遭わせる手立てはないものかと思ってね」
 押し殺してはいたが、なぜか誇らしげな叫びだった。
 窓硝子越しの左手が、拳を握った。
 死者は現世に影響を及ぼすことはできない。それは絶対の原則だった。逆に言えば、現世に影響を及ぼした時点で、その死者は強制排除される――「葬儀屋」の手で。胸中でひっそりと、狭霧は顔をしかめた。そして、殺されて正解だわ、と思った自分を束の間嫌悪した。
 ――愛人との交際がその恋人に知られ、逆上した恋人から暴行に遭って殺された。渡瀬慎一の死の状況をごく簡潔に言うならば、そうなる。しかも愛人関係が露見した原因は、皮肉なことに愛人へ贈った贈り物だった。
 情けない、と思う。自覚がないのなら、なおのこと。
 彼がそれほどまでに自己中心的になれるのは、彼の魂が人間から獣に堕ちかけているからなのか。それともただ単に、もともとの人間性の問題なのか。
 風の音が耳に痛い。
「どうして奥さんを痛い目に遭わせる必要があるんです」
 口にした言葉が平坦すぎることだけを、狭霧は心配した。
 渡瀬は胡乱な眼で狭霧を見、大儀そうに腕を下ろした。そして、至極当然のように断言する。
「美弥子が余計な気を回さなければ私は死なずに済んだのだからね」
「……随分なことを仰るんですね」
 応じると、渡瀬は喉の奥で笑った。
「少なくとも彼奴が余計なことをしなかったら、私は死なずに済んださ」
「そうでしょうか」
 自分から少しずつ表情が消えていることを、狭霧は他人事のように感じていた。嫌悪感、なのかもしれない。渡瀬の振舞いが過度に露悪的であることは否めなかったが、彼が妻への復讐を目的として現世に留まっていることは厳然たる事実だった。自暴自棄の露悪性を抜きにしても、眼の前の死者に好意を持つことは難しい。死者の人間性というその一点においてのみ、扱いの難しい魂。それでいて、渡瀬の仕草が必要以上に露悪的で、どこか自嘲的でもあることに僅かな救いを求めてもいる。
 ――これは斑鳩や青葉より貴方向きよ、常磐。
 相棒に視線を投げてから、意味もなく呼吸を整えた。
「彼奴が金を入れたせいで、私には貢ぐ金ができてしまったんだからね」
 わざとらしく肩を竦めてみせる。芝居がかった調子は常磐に通じるものがあったが、彼ほど流暢な身振りではなかった。
「貢ぐお金、ですか」
「知らなかったのか」
 むしろそれが意外だと言わんばかりに、渡瀬は眉を少し上げた。そういうわけではない、と訂正するより早く、狭霧に輪をかけて平坦な常磐の声が応える。
「貴方が事実をどう見ているのか伺いたいと思いまして」
 相棒に再び視線を送ってはみたものの、彼の横顔からはなにを読みとることもできなかった。
 渡瀬は常磐を一瞥して、鼻で笑った。誰を嗤ったのかは、視線だけでは判らなかった。
「私は愛人を作った。二十も下の若い女だ。そしてねだられるままにブランド物を買ってやった。金はそのうちなくなるかと思っていたが、口座にはなぜか常に一定額が入っている。振り込んでるのは妻だ。通帳見ればそれで判る。彼奴がなにを考えてるのかは解らなかったが、貰える金は貰っとくに越したことはない。それで安心して貢ぎつづけていたら、そのうち麗那の彼氏という男にボコボコにされて死んだ。――これで満足か?」
 他人事のように語る眼に、自嘲と後悔と憎悪が次々に閃く。
 しかし、背筋を伸ばして超然と語る男に羞恥はなかった。
 ――この人は、駄目だ。
 密やかに結論を下し、一縷の希望を断つ。
 少なくとも、妻への理不尽な「復讐」を思いとどまらせるという方法では、この男を現世から引き剝がすことはできない。ならばやはり内部崩壊させるしか道はないか――。
「美弥子さんはなぜお金を振りこんだのでしょうね」
「さあ、小遣いのつもりだったのかもしれないな」
 そんなことに興味はないと言わんばかりの口調だった。ポロシャツの襟を神経質に弄っている。狭霧は無意識のうちにネクタイに手を遣り、そして下ろした。
 金なら確かにあっただろう。資産家とまではいかなくても、美弥子は父の遺産を相続してある程度の資産を持っていた。渡瀬自身も、会社では役職に就いている。金ならあったのだ。夫婦二人で高級マンションに住まい、ベランダをウッドデッキ風に設え、夫が愛人を囲うことができる程度には。
 けれどたぶん、金しかなかったのだろう。
 だから美弥子は夫の口座を満たすしかなかったのだろう。その金がどこに行くのかも知らずに。否、もしかしたら知っていたのかもしれないが。
 少なくとも、今はそうなってしまっていた。
 渡瀬慎一と渡瀬美弥子とを、共に厭い共に憐れんでいる自分に気がついた。
 狭霧はカーテン越しの室内に視線を遣った。いつの間にか美弥子が現れていて、キッチンに立っている。髪の長いシルエットが見えるだけで表情もなにも判らなかったが、どことなく存在感の薄い女性だと思った。
 彼女を眺めながら、口を開いた。
「貴方のためを思っていたのかもしれないですよ、美弥子さんなりに」
 神経質に襟を弄っていた手が、止まった。
「……知らないな」
 渡瀬を見ると、眼が合った。
 そして、不愉快そうに言った。
「頼んでもいないのに良い迷惑だ」
 室内では美弥子が玉葱を刻んでいた。夕食の準備かもしれない。一人分の。渡瀬は微かに足を動かして、窓硝子に背を向けた。狭霧が口を開くより早く、更に言葉を吐きだす。
「私は彼奴のせいで死に追いやられたようなものなのだからな」
 狭霧は拳を握った。金は金でしかなく、愛人は女でしかなく、その恋人は加害者でしかなく、渡瀬慎一は被害者でしかなく、そして渡瀬美弥子は、――なんだったのだろう。
 その幼児性が自分を殺したのだと、なぜ気づけないのだろう。
 波立ちはじめている心を躍起になって鎮めていると、不意に隣から、声。
「よくそんなことが平気で言えたものだ」
 小声の呟きがいやに大きく聞こえ、狭霧は凍りついた。
 ――え?
 耳慣れた声と耳慣れない口調。振り返ると、小さく俯いた常磐が光のない眼で呟いていた。
 渡瀬はそのままの眼で、訝しげに常磐を見た。
「そんなことを言う資格が自分にあるのかどうか、一度胸に手をあてて考えてみたほうが良い」
「……なんだと?」
「あまり僕を怒らせないでください」
 常磐はそこまでを独り言のように言って、すいと顔を上げ渡瀬を見た。なにかを言いかけた死者の口がぴたりと閉じた。視線は一直線上に並んでいたが一方向的だ。常磐の横顔は相も変わらず人形のように整っていて、人形のように生気がない。死者なのだから当たり前だ。当たり前なのだけれど。
「美弥子さんがなぜお金を振りこみつづけたかを考えてみなかったわけでもないでしょうに」
 渡瀬は眉を顰めた。それから、靴底でじりと木板を擦る。
「お前になにが解る」
「解りませんよ」
 仮面のままで言い放つ。動いているのは唇だけだった。伸びた背筋も、皺のないスーツも、磨きあげられた革靴も、微動だにしない。
「ただでお金を受け取りながらなにも考えずなにも思わなかった人間の気持ちなど解りませんよ」
 常磐はその言葉だけを呟いて、表情一つ変えずに黙っている。黙って、渡瀬を見つめている。
 風が吹いている。
「わけが解らないのは彼奴のほうだ」
 沈黙を嫌ったかのように、渡瀬が苛立たしげに吐き捨てた。
「余計なことをしやがって」
「余計なことなのですか」
「余計だろうよ」
 渡瀬の爪先が小刻みに動く。常磐は死者の顔から視線を逸らしもしない。渡瀬は常磐から視線を逸らした。それでも常磐は彼を見ている。渡瀬は舌打ちをした。
「金があるなら遣うのが当たり前だ」
「そうですか」
「俺が悪いってのか」
 その問いには答えず、常磐は能面の無表情を向けていた。渡瀬は唇を噛み、爪を噛む。爪先でリズムを刻みながら。それでも決して室内を見ようとはしなかった。
 ――罪悪感がないわけではないだろうに。
 狭霧がそう思いたいだけなのかもしれなかったけれど。
 かつん、と、歯が爪の先を嚙み切る。破片を吐き捨て、渡瀬は焦れたように叫んだ。
「彼奴が悪かったんだ」
 靴が床を擦る。彼は気づいていない。その床は、本当は彼などの触れられるものではないということを。
 憎悪のこもった眼差しをレースカーテンの向こうに投げる。
「彼奴が馬鹿なことを考えるからだ! 金さえあれば俺を繋ぎとめておけるとでも――」
「おや、ちゃんと気づいていたのではありませんか」
 常磐が大仰な言葉を返すと、渡瀬ははっとして口を閉じた。
 窓の向こうで女が玉葱を刻んでいる。顔を上げ、眼を瞬く。その眼がふと、窓のこちら側に向いた。眼が合う――否、そんなはずはない。ただ、視線が一直線上に並んだだけ。
 渡瀬が窓を凝視したまま硬直した。
「そんな子供じみた逆恨みで此処に留まっているうちに、地獄行きが決まっても知りませんよ」
 常磐が平たい声で止めを刺した。唇は微かに歪んでいる。笑っているのか。冗談のつもりなのか。それとも。
 渡瀬が首を回して常磐を見た。唇が痙攣したように動き、辛うじて笑んだ。眼だけが室内に戻り、それから彼は、妻に引き攣った笑みを向けた。
 渡瀬美弥子はしばらくぼんやりとして、――それから独り寂しそうに微笑んだ。


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